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アデレードに来る前、見た目はどう転んでも若くないアジア人の私は「それなりに差別を受けたりするんだろうな」と思っていました。ちょっと冷たくされるとか、ね。
ところが。ほとんど差別というものは受けたことがありません。
一度、郵便局の窓口でつっけんどんな対応をされたけれど、そのオバサン自体そういう人なのかもしれない程度。あ、あと「他のアジアの国の人」と思われて、通りすがりに何か言われたことはありますね。でも気にしません。
というのも、アデレードには様々な国(人種)の人が暮らしていて、私など沢山いる「アジア人の一人」だから目立たないのです。
もシティ(市街地)に行けばアジア人や頭にヒジャブを巻いたイスラム圏の人たち、インド系、アフリカ系、と様々な民族の人たちを見かけます。
オーストラリアは「Multicultural(マルタイカルチュラル)」の国だと言われています。多文化な、という意味で、アデレードに住んでいると本当にそうだなあと思います。
まあ、元々オーストラリア自体イギリスからの移民で始まった国家ですしね。
↑これはアデレードのどの地域に「イギリス・ニュージーランド以外からの」国の人たちが住んでいるか、の図です。やっぱり中国人とインド人多いなー。分母が多いからね。
私たちが住んでいる地域ではイタリア系の人たちが多いです。イタリア人は初期(イギリス人の次くらい)に移住してきた人たちなので、イタリア系の病院・ケアセンターなども整っています。
我が家の隣もイタリア人の老夫婦で、40年以上前にオーストラリアに来たそうです。もうひ孫もいます。おじいちゃんは未だに英語が苦手。
シティではやっぱり体感的にも中国人は多いですね。元々の人口も多いですし、最近は「子供が永住権を取得して親を呼び寄せる」というパターンも増えています。
なので私なんぞが一人でぷらぷらしていても、目立つはずがないんです。これは気が楽です。でも逆に見た目アジア人だからと言って「英語が苦手かも」と思ってはくれないので、普通のスピードで英語を話しかけられます。
そんなときは、自分の実力よりもゆっくりしゃべって「私はこれくらいしか英語ができないんです」アピールをして分かってもらうしかない。がんばるしかないんですけどね。
人種差別を受けたことがない、むしろ日本人だとわかると皆さんとても親切でフレンドリー。と言っても、これは私の行動範囲内での事なので、アデレードに人種差別がないと明言することはできません。そういうトラブルをニュースで見た事もあります。最近ではイスラム圏の人たちを快く思っていない人もいます。
ほぼ単一民族の国から来た私には難しいことは言えません。私もしょせん移民の一人。それに、オーストラリア国籍を取得してオーストラリア人になるわけではないので。
ただ、こうして異国の地でも普通に受け止められて暮らしていけることをありがたく思うし、誰もがそう感じながらアデレードで生活していければいいなと思います。
難しい話は、またいずれ。